第76回講習会 台湾 最新の化学品規制状況について
資料内容 2019年8月発行(会員価格11000:非会員価格25300)
台湾における一般工業化学品の管理は、環境保護署が所管する「毒性化学物質管理法」及び職業安全衛生署が所管する「職業安全衛生法」により、それぞれ環境汚染及び人の健康障害防止並びに労働災害の防止及び労働者の安全衛生の保護に関して実施されてきました。
一方、2009年より構築を進めていた既有化学物質リストを完成させ、それを支持する法改正として「増補・改訂毒性化学物質管理法」を2014年12月11日より全面施行し、修正された「職業安全衛生法」も2014年7月3日及び2015年1月1日の2段階で施行しました。
更に、改訂された「毒性化学物質管理法」の下に「新化学物質及び既有化学物質資料登録弁法(以下、<登録弁法>)」及び「第4類毒性化学物質認可管理弁法」、職業安全衛生法の下に、「新化学物質登記管理弁法(以下、<登記弁法>)」、「優先管理化学品の指定及び取扱管理弁法」及び「管制性化学品の指定及び取扱許可管理弁法」等が施行され、新たな制度が本格的に動き出しています。
改正法施行3年を経過して、環境保護署関係では食品安全の観点から「毒性化学物質管理法」の修正が立法院(国会)で審議されていましたが「毒性及び懸念化学物質管理法」として2019年1月16日に正式に公布され、<登録弁法>についても、労動部の<登記弁法>との調和化等の観点から修正され、2019年3月11日に公布されました。
また、職業衛生署関係では「危害性化学品標示及び周知規則」の修正が2018年11月9日に公布され、安全資料表(SDS)の混合物の成分情報にCAS番号が追加され、それに伴いCBI申請項目にもCAS番号が追加されています。
今回の講習会では、確定した「毒性及び懸念化学物質管理法」及び<登録弁法>並びに関連法規類を交えて紹介、解説いたします。
[環境保護署]関連の法規類
・毒性及び懸念化学物質管理法
・新化学物質及び既有化学物質資料登録弁法<登録弁法>
・第4類毒性化学物質認可管理弁法
・毒性化学物質運送管理弁法
・毒性化学物質許可登記認可管理弁法
・毒性化学物質取扱及び放出量記録管理弁法
・毒性化学物質標示及び安全資料表管理弁法
・毒性化学物質危害予防及び緊急対策計画作業弁法
・毒性化学物質選別認定作業原則
・毒性化学物質申請書表及び証明書の様式
・管理対象毒性化学物質及び取扱管理事項(修正草案)
[職業安全衛生署]関連の法規類
・職業安全衛生法
・新化学物質登記管理弁法<登記弁法>
・危害性化学品標示及び周知規則
・優先管理化学品の指定及び取扱管理弁法
・管制性化学品の指定及び取扱許可管理弁法
・危害性化学品評価及び分級管理弁法
本講習会が台湾への化学物質の輸出及び台湾での化学物質取扱い業務に関係する方々のお役に立てば幸いです。
【追加情報】
下記の4つの予告が、政院環境保護署より公告(8月8日)されました。
・「毒性化学物質許可登記認可管理弁法」修正草案
・「毒性化学物質取扱及び放出量記録管理弁法」修正草案
・「毒性化学物質標示及び安全資料表管理弁法」修正草案
・「第4類毒性化学物質認可管理弁法」の廃止
このうちの3つの修正草案には、本年1月16日に修正公布された「毒性及び懸念化学物質管理法」で新たに定義された《懸念化学物質》に関する規定が含まれています。今回の法改正における《懸念化学物質》の管理については、「第4類毒性化学物質認可管理弁法」のように独立した1つの弁法を制定するのではなく、既存の下位法規の中に管理規定を分散させて管理する方法を採ることが分かりました。併せて「第4類毒性化学物質認可管理弁法」を廃止し、第4類毒化物に関する認可規定も「毒性化学物質許可登記認可管理弁法」に取り込んでいます。
《懸念化学物質》そのものについてはまだ明確になっていないものの、来年1月16日からの「毒性及び懸念化学物質管理法」の完全施行に合わせて、
これら修正草案が準備されており、関係する方々の準備に少しでも資するよう、今回の講習会資料にこれら修正草案の概要を加え、解説することとしました。
また、本年は既有化学物質リストが構築されて5年目となりますので、リスト中で秘密企業情報(CBI)の保護申請を行っている企業は延長申請を検討する時期となっています。延長申請を行わない場合、CBIが公表され、第3者もその既有化学物質が同定でき、これまでのように新化学物質としての対応が不要となります。このCBIの規定についても解説しました。
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