特別資料No.494 韓国 産業安全保健法 -有害・危険性調査制度 化学物質の分類表示・物質安全保健資料(MSDS)制度-(第9版)
2021年1月発行(会員価格16,000:非会員価格40,000)
現在、韓国には新規化学物質届出制度として、環境部所管の化学物質の登録及び評価等に関する法律(化評法)に基づく登録及び有害性審査制度と雇用労働部所管の産業安全保健法(産安法)に基づく有害性・危険性調査制度がある。環境部は国民保健及び環境保全への寄与を目的として新規化学物質及び環境部が公表する既存化学物質を登録し、有害性審査に当たり毒性・分解性試験データ等の資料提出を義務付けているのに対し、雇用労働部は労働者の健康障害を予防するための措置を講じ、また新しく製造又は輸入される化学物質の有害性を把握するため、有害性・危険性調査結果報告書の提出時に物質安全保健資料(MSDS)、毒性試験成績書、工程図等の添付を義務付けている。目的が違う2つの省庁に新規化学物質届出の義務が存在しているところは日本の化審法と安衛法とに類似している。
化評法が2015年1月1日から施行され、産業安全保健法に基づく有害性・危険性調査制度は化評法との整合性が図られた。すなわち、化評法で申告・登録された新規化学物質や登録免除物質については産安法で審査された物質と見なされ届出の簡素化が行われた。しかし雇用労働部は、物質安全保健資料の提供、教育、表示を内容とする広範で強力な物質安全保健資料の制度を運用している。
2019年1月15日の産業安全保健法の全文改正により、勤労者の産業安全及び保健増進のために有害か危険な化学物質を国家が直接管理することができるようにすることを目的として、化学物質の製造・輸入者は製造・輸入前に雇用労働部長官が構築した電算システムを通じてMSDSの構成成分の全てを基本とした内容を雇用労働部へ提出しなければならない。これまでは化学物質の譲渡者が営業秘密として保護する化学物質について、MSDSに自ら判断して書かないこともあり得たが、これからは営業秘密として化学物質の名称及び含有量を記載しない場合は雇用労働部長官の承認を受けてその化学物質の名称及び含有量を代替できる内容でMSDSに記載するようにしなければならなくなった。又、韓国消防庁が主導する省庁間合同のGHS分類を反映して国連GHS分類改訂4版から改訂6版相当に更新され、産安法の改正を反映しMSDS代替資料記載承認の詳細を定める等の改正がなされたことから、2020年11月12日に「化学物質の分類・表示及び物質安全保健資料に関する基準」が全面改訂された。また、2021年1月15日にMSDS代替資料記載承認の手数料が新たに制定された。
本書は、特別資料No.477「韓国 産業安全保健法-有害・危険性調査制度 化学物質の分類表示・物質安全保健資料制度- 第8版」にその後の改正を加えて改訂し、第9版としたものである。
本資料が、韓国への化学物質及びそれらを含む製品を輸出する業務を担当される方々のお役に立つことを願っております。
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